うつ病の苦しみは想像以上です。
何か見えないものに襲われているような不安。全てのものが自分を責める敵に見えてしまう恐怖。生きていることが間違っていると感じ、自分を傷つけてしまう…。
その中で、どんな症状よりも苦しいのは『理解されない』ことじゃないでしょうか。
- 「理解してほしい」
- 「理解してくれない」
- 「なんで理解する努力をしてくれないんだ」
うつ病なった人のほとんどが、一度は考えたことがあるはずです。
ここでは、うつ病を理解してもらうにはどうすればいいのか?
うつ病の人自身ができる『伝える』という行動について、筆者の実体験を元に、周囲の人に少しでもうつ病を理解してもらうための対策と方法をまとめます。
『理解されない』は結果でしかない
『理解されない』は結果であって、理由ではありません。
結果だけ見せられても対策は立てられません。
例えば、パソコンが壊れたとしましょう。修理しなければいけません。どうやって修理するでしょうか?理由を探らないといけません。
飲み物をこぼして壊れてしまったのかも知れませんし、もしかしたらそのパソコンは20年使っていたのかも知れません。
理由を知ることで修理の仕方を決めることができます。
飲み物をこぼしたのであれば乾かせば治るかも知れませんし、長い間使っているのであれば古いパーツを新しいものに取り替えると治るかも知れません。
まずは理由を考えることから始めましょう。
理解されない理由
うつ病が理解されない理由には様々なものがあります。
- 目に見えない病気である
- ただ怠けているように見える症状
- 無気力のせいで伝える力がない
様々な理由があるように、対策も様々なものがあります。
ここでは、最後の『伝える力がない』ことに焦点を当てて、対策を考えます。
なぜなら、ほとんどの理由に『伝えること』が対策として当てはままるからです。
『理解されない』のは『伝えてない』から
例えば、怪我であれば、傷口を見せることで相手に怪我をしていることが伝わります。
風邪であれば咳をしていればある程度伝わります。
このように、どんな病気や怪我でも無意識のうちに『伝える』という行為を行なっているのです。
ではうつ病ではどうでしょうか?
…残念ながら症状の性質上、無意識のうちに伝える方法は無いに等しいです。
無意識のうちに伝える方法がないので、意識して伝えるしかありません。
伝える力がないことを伝える
うつ病になってしまうと、何もできなくなります。
わかります。体が思うように動かなくなり、指一本動かすことですらしんどい。筆者は、丸2日飲まず食わずでトイレにもいかず、布団の上で天井だけをみていたことがあります。今が夢なのか現実なのか、生きているのか死んでるのかわからない…。苦しいです。
厳しいことを書きます。
こんな状態でも、うつ病は理解されません。つまり、伝わりません。
苦しいのは痛いほどわかります。でもほんの少しだけ力を振り絞って言ってほしいんです。
「伝える力がないのでできるだけ理解してほしい」と…。
それだけでいいです。
これだけでは理解しない人もいるでしょう。ですが、これだけでいいんです。
何も伝えないよりかは、はるかにいいです。
怪我であれば、かすり傷をチラ見せする。
風邪であれば、コホッと乾いた小さな咳をする。
それくらいのアピールです。
ですが、ここから「目に見えない症状」や「ただ怠けているように見えるの症状」が、うつ病の症状なんじゃないか?と想像してもらえる手がかりになります。
小さな努力で大きな結果が得られます。
理解されるための第一歩
ここで意識してほしいのが、この「伝える力がない」と伝える努力は、理解されるための小さな第一歩でしかないということです。
でも、気を落とさないでください。
ここから少しずつ変わっていきます。
それは1週間かもしれません、1ヶ月、3ヶ月くらいかもしれません。
あなたの伝えるための努力と勇気。そして、周囲の人間の理解しようとする意識。
『伝える力がない』この一言を伝えることで、お互いにあった大きな溝が、かなり小さなものになります。
最後に
筆者の場合、まだ元気のあるうちに、家族にいろんなことを伝える努力をしました。
ですが全て、のれんに腕押し。馬の耳に念仏…。聞き入れてもらえませんでした。
いろんなことを調べました。
どうやったら理解してもらえるんだろう。理解してもらうにはどうすればいいんだろう。
…答えは出て来ませんでした。
- 理解してるよ
- 理解してるように見えるよ
- 理解してもらうには先に相手を理解しないといけないよ
医者にもいろんなことを言われました。
でも思った通りの言葉は返って来ませんでした。
もしかしたら『理解』という言葉について相手と自分の思っていることは違うんじゃないか?と思いました。
そこで思ったことをこの記事にまとめました。
今思えば、家族には、元気のなくなったときの最後のこの一言が効いたように思います。
これを読んでいる方の中には、今一番苦しい人もいるでしょう。
そんな人たちに言いたいのは「その苦しみは一生続くわけじゃない」ということです。
「いつまで」とは断定して言えませんが、そんなに長くないです。
でも苦しい時間は長く感じますよね…。
でもずっとではないです。
終わりは来ます。
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。